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Wear2020.02.19 UP

【懐かしの事務服】オーバーブラウスは岩のように固かった


事務服スタイルとしてここ数年大人気なのが「オーバーブラウス」。シャツ&ベストと違い、下着の上から一枚着ればいいだけの気軽さが受け、オーバーブラウスを採用する企業が増えています。

しかしここに一人、オーバーブラウスの真実を知る女性が……。

とある企業の経理として勤続7年、その間、4種類の事務服を着てきたSさんが言う「ようやく着たいと思えるオーバーブラウスになってきた」という言葉は重い。オーバーブラウスの歴史と、彼女がオーバーブラウスに好感を持つまでになった経緯をレゼンスタイル編集部員が聞いてみました。


オーバーブラウスは嫌いだった


レゼンスタイル編集部員(以下、レゼン):こんにちは。今日はお越しいただきありがとうございます。Sさんはこれまで4種類もの事務服を着てきたというご経験を持つ、いわば事務服ご意見番とも言えますね。

Sさん:事務服のモデルチェンジが2~3年に一回ある会社なので、普通の人よりはたくさん着ているかもしれません。4種類といっても、春夏と秋冬でも変わるので、実際はその倍の数になります。

レゼン:オーバーブラウスを初めて着たのはいつからですか?

Sさん:今着ている物の3つ前の春夏物で初めてオーバーブラウスを着ました。確か、ピンクの生地にラメが入ったものでした。見た目は可愛いかったのですがとっても固くてゴワゴワしていたんです。オーバーブラウスは肌に直接触れるので、何だか気持ち悪いし動きにくくて……。

レゼン:固いというのは仕事にも支障が出そうですね。

Sさん:なので次のモデルチェンジの時はベーシックなブラウスにベストのスタイルに戻したんです。でも最近、これまでのオーバーブラウスの常識では考えられない、とっても柔らかい生地のものが出てきたので、再度オーバーブラウスにチャレンジすることにしました。

レゼン:レゼンスタイルでオーバーブラウスの歴史を調査した結果、昔のオーバーブラウスはジャケットの生地で作られていたことが分かりました。きちんと感はありそうですが、これは確かに固そう……。お米&お餅文化の日本人は、多民族より柔らかいものやモチモチしたものを好むと聞いたことがありますが、つながりがあるかもしれませんね。

Sさん:どちらかというと私はパン派なんですが、パンでもモッチリ感を重視します。そういえば、オーバーブラウスはブラウスジャケットとも言われていたような気がします。そもそもがジャケット扱いなんですね。

↑ユニフォームネット発行のカタログより(2007年頃)


ターニングポイントはニットの登場


レゼン:最近のオーバーブラウスがなぜ柔らかくなったかというと、「ニット生地」の登場にあるんです。

Sさん:今着ている事務服もニット生地のスカートです。

レゼン:事務服業界では、2.3年前からニットブームが起きています。オーバーブラウスのニット化もその影響で、柔らかく伸びも良いニット生地のオーバーブラウスを各アパレルメーカーが競って出すようになりました。

Sさん:確かにみんな事務服を選ぶときには、“どれくらい伸びるか”というのをチェックしています。

レゼン:生地も改良が進んでいるので、伸びずにきちんと感を重視した素材でありながら柔らかいものも出ているので、一概にニットなら良いというわけではありませんが、“伸び”は女性にとって大切なポイントですよね。ちなみに“伸び”のことは“ストレッチが効いている”などと言います。

Sさん:私が知っている岩のように固いオーバーブラウスはニットという新世代に取って替わられたんですね。着物を着なくなったのと同じようです。

レゼン:そう言われると、昔のオーバーブラウスは着物の固さに似ているかもしれませんね。ということは、それはそれで良さがあったのでしょう。固いオーバーブラウス全盛期を快適に過ごした女性のお話が聞きたくなりました。Sさん、今回は貴重なお話ありがとうございました。また事務服について一言ありましたらお越しください。

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